2019年Ⅱ歴代誌第5講
ヨシャパテのあやまちと勝利
御言葉:Ⅱ歴代誌 18-20章
要 節:Ⅱ歴代誌20:17 「この戦いではあなたがたが戦うのではない。しっかり立って動かずにいよ。あなたがたとともにいる【主】の救いを見よ。ユダおよびエルサレムよ。恐れてはならない。気落ちしてはならない。あす、彼らに向かって出陣せよ。【主】はあなたがたとともにいる。』」
1.イスラエルの王アハブは、ヨシャパテを誘い込んで何をしようとしましたか(1-3)。四百人の預言者たちはどんなことを語りましたか(4-11)。しかし、ミカヤはどんなことを語りましたか(12-22)。その結果、ミカヤはどうなりましたか(23-27)。
18:1 こうして、ヨシャパテには富と誉れとが豊かに与えられたが、彼はアハブと縁を結んだ。
18:2 何年かたって後、彼が、サマリヤに下ってアハブのもとに行ったとき、アハブは彼および彼とともにいた民のために、おびただしい羊や牛の群れをほふったうえ、彼を誘い込んで、ラモテ・ギルアデに攻め上らせようとした。18:3 そのとき、イスラエルの王アハブはユダの王ヨシャパテに言った。「私とともにラモテ・ギルアデに行ってくれませんか。」すると、彼は答えた。「私とあなたとは同じようなもの、私の民はあなたの民と同じようなものです。あなたとともに戦いに臨みましょう。」
18:4 ヨシャパテは、イスラエルの王に言った。「まず、【主】のことばを伺ってみてください。」
18:5 そこで、イスラエルの王は四百人の預言者を召し集めて、彼らに尋ねた。「私たちはラモテ・ギルアデに戦いに行くべきだろうか。それとも、私はやめるべきだろうか。」彼らは答えた。「上って行きなさい。そうすれば、神は王の手にこれを渡されます。」
18:6 ところが、ヨシャパテは、「ここには、私たちがみこころを求めることのできる【主】の預言者がほかにいないのですか」と言った。
18:7 イスラエルの王はヨシャパテに答えた。「いや、ほかにもうひとり、私たちが【主】のみこころを求めることのできる者がいます。しかし、私は彼を憎んでいます。彼は私について、決して良いことは預言せず、いつも悪いことばかりを預言するからです。それは、イムラの子ミカヤです。」すると、ヨシャパテは言った。「王よ。そういうふうには言わないでください。」
18:8 そこで、イスラエルの王はひとりの宦官を呼び寄せ、「急いで、イムラの子ミカヤを呼んで来なさい」と命じた。18:9 イスラエルの王と、ユダの王ヨシャパテは、おのおの王服を着て、王の座に着き、サマリヤの門の入口にある打ち場にすわっていた。預言者はみな、ふたりの前で預言していた。
18:10 そのとき、ケナアナの子ゼデキヤは、王のために鉄の角を作って言った。「【主】はこう仰せられます。『これらの角で、あなたはアラムを突いて、絶滅させなければならない。』」
18:11 ほかの預言者たちもみな、同じように預言して言った。「ラモテ・ギルアデに攻め上って勝利を得なさい。【主】は王の手にこれを渡されます。」
18:12 さて、ミカヤを呼びに行った使いの者はミカヤに告げて言った。「いいですか。預言者たちは口をそろえて、王に対し良いことを述べています。お願いですから、あなたもみなと同じように語り、良いことを述べてください。」
18:13 すると、ミカヤは答えた。「【主】は生きておられる。私の神が告げられることを、そのまま述べよう。」
18:14 彼が王のもとに着くと、王は彼に言った。「ミカヤ。私たちはラモテ・ギルアデに戦いに行くべきだろうか。それとも、私はやめるべきだろうか。」すると、彼は答えた。「攻め上って勝利を得なさい。彼らはあなたがたの手に渡されます。」
18:15 すると、王は彼に言った。「いったい、私が何度あなたに誓わせたら、あなたは【主】の名によって真実だけを私に告げるようになるのか。」
18:16 彼は答えた。「私は全イスラエルが、山々に散らされているのを見た。まるで、飼い主のいない羊の群れのように。そのとき、【主】は仰せられた。『彼らには主人がいない。彼らをおのおのその家に無事に帰さなければならない。』」
18:17 イスラエルの王はヨシャパテに言った。「彼は私について良いことを預言せず、悪いことばかりを預言すると、あなたに言っておいたではありませんか。」
18:18 すると、ミカヤは言った。「それゆえ【主】のことばを聞きなさい。私は【主】が御座に着き、天の万軍がその右左に立っているのを見ました。
18:19 そのとき、【主】は仰せられました。『だれか、イスラエルの王アハブを惑わして、攻め上らせ、ラモテ・ギルアデで倒れさせる者はいないか。』すると、ある者は一つの案を述べ、他の者は別の案を述べました。
18:20 それから、ひとりの霊が進み出て、【主】の前に立ち、『この私が彼を惑わします』と言いますと、【主】が彼に『どういうふうにやるのか』と尋ねられました。
18:21 彼は答えました。『私が出て行き、彼のすべての預言者の口で偽りを言う霊となります。』すると、『あなたはきっと惑わすことができよう。出て行って、そのとおりにせよ』と仰せられました。
18:22 今、ご覧のとおり、【主】はここにいるあなたの預言者たちの口に偽りを言う霊を授けられました。【主】はあなたに下るわざわいを告げられたのです。」
18:23 すると、ケナアナの子ゼデキヤが近寄って来て、ミカヤの頬をなぐりつけて言った。「どの道を通って、【主】の霊が私を離れて行き、おまえに語ったというのか。」
18:24 ミカヤは答えた。「いまに、あなたが奥の間に入って身を隠すときに、思い知るであろう。」
18:25 すると、イスラエルの王は言った。「ミカヤを連れて行け。町のつかさアモンと王の子ヨアシュのもとに下がらせよ。
18:26 王が『この男を獄屋に入れ、私が無事に戻って来るまで、わずかなパンとわずかな水をあてがっておけ』と命じたと言え。」
18:27 ミカヤは言った。「万が一、あなたが無事に戻って来られることがあるなら、【主】は私によって語られなかったのです。」そして、「みなの人々よ。聞いておきなさい」と言った。
2.ミカヤの預言を聞いたアハブは、どのようにして難を逃れようとしましたか(28-29)。ヨシャパテはどのようにして難を逃れることができましたか(30-32)。ところが、アハブはどうなりましたか(33-34)。エルサレムに帰ったヨシャパテを先見者エフーはどのように叱責しましたか(9:1-3)。
18:28 こうして、イスラエルの王とユダの王ヨシャパテは、ラモテ・ギルアデに攻め上った。
18:29 そのとき、イスラエルの王はヨシャパテに言った。「私は変装して戦いに行こう。でも、あなたは、自分の王服を着ていてください。」こうして、イスラエルの王は変装し、彼らは戦いに行った。
18:30 アラムの王は、自分の配下の戦車隊長たちに命じて言った。「兵や将校とは戦うな。ただイスラエルの王を目ざして戦え。」
18:31 戦車隊長たちはヨシャパテを見たとき、「あれはイスラエルの王に違いない」と思ったので、彼を取り囲んで戦おうとした。すると、ヨシャパテは助けを叫び求めた。【主】は彼を助けられた。神は彼らを、彼から離れるように仕向けられた。
18:32 戦車隊長たちは、彼がイスラエルの王ではないことを知ったとき、彼を追うことをやめ、引き返した。
18:33 ところが、ひとりの兵士が何げなく弓を放つと、イスラエルの王の胸当てと草摺の間を射抜いた。そこで、王は戦車の御者に言った。「手綱を返して、私を敵陣から抜け出させてくれ。傷を負ってしまった。」
18:34 その日、戦いはますます激しくなった。イスラエルの王はアラムに向かって、夕方まで戦車の中に立っていたが、日没のころになって死んだ。
19:1 ユダの王ヨシャパテは無事に自分の家に帰り、エルサレムに戻った。
19:2 すると、先見者ハナニの子エフーが彼の前に出向いて来て、ヨシャパテ王に言った。「悪者を助けるべきでしょうか。あなたは【主】を憎む者たちを愛してよいのでしょうか。これによって、あなたの上に、【主】の前から怒りが下ります。
19:3 しかし、あなたには、良いことも幾つか見られます。あなたはこの地からアシェラ像を除き去り、心を定めて常に神を求めて来られました。」
3.ヨシャパテは民を訪問して何をしましたか(4)。さらに、さばきつかさを任命してどんな任務を与えましたか(5-11)。
19:4 ヨシャパテはエルサレムに住んだ。それから、彼はもう一度ベエル・シェバからエフライムの山地に至る民の中へ出て行き、彼らをその父祖の神、【主】に立ち返らせた。
19:5 さらに、彼はこの地、すなわち、ユダにあるすべての城壁のある町々にさばきつかさを立て、町ごとにこれを任命し、
19:6 さばきつかさたちにこう言った。「あなたがたは自分のする事に注意しなさい。あなたがたがさばくのは、人のためではなく、【主】のためだからです。この方は、さばきが行われるとき、あなたがたとともにおられるのです。
19:7 今、【主】への恐れがあなたがたにあるように。忠実に行いなさい。私たちの神、【主】には、不正も、えこひいきも、わいろを取ることもないからです。」
19:8 なお、ヨシャパテはエルサレムでは、レビ人と祭司の中から、またイスラエルに属する一族のかしらたちの中から、【主】のさばき、および訴訟に携わる者たちを任命していた。エルサレムに帰ったとき、
19:9 彼はこの人々に次のように命じた。「あなたがたは、【主】を恐れ、忠実に、また全き心をもって、このように行わなければなりません。
19:10 おのおのの町に住んでいるあなたがたの兄弟たちから、あるいは互いの流血事件について、あるいは律法、命令、おきて、定めなどについて、あなたがたのところに訴訟が持ち込まれた場合には、いつでも、あなたがたは、彼らが【主】に対して罪を負い、その結果、あなたがたとあなたがたの兄弟たちの上に御怒りが下ることのないよう、彼らに警告を与えなければなりません。あなたがたはこのように行いなさい。そうすれば罪を負わずに済むのです。
19:11 ご覧なさい。あなたがたの上のかしら、祭司アマルヤは、【主】の事がら全体に当たります。また、ユダの家のつかさイシュマエルの子ゼバデヤは王の事がら全体に当たってくれます。さらに、あなたがたの前のレビ人はつかさです。勇気を出して実行しなさい。【主】が善人とともにいてくださるように。」
4.敵襲の知らせを聞いたヨシャパテは何をしましたか(20:1-4)。その時、ヨシャパテはどんな祈りを主に捧げましたか(5-13)。
20:1 この後、モアブ人とアモン人、および彼らに合流したアモン人の一部が、ヨシャパテと戦おうとして攻めて来た。20:2 そこで、人々は来て、ヨシャパテに告げて言った。「海の向こうのアラムからおびただしい大軍があなたに向かって攻めて来ました。早くも、彼らはハツァツォン・タマル、すなわちエン・ゲディに来ています。」20:3 ヨシャパテは恐れて、ただひたすら【主】に求め、ユダ全国に断食を布告した。20:4 ユダの人々は集まって来て、【主】の助けを求めた。すなわち、ユダのすべての町々から人々が出て来て、【主】を求めた。
20:5 ヨシャパテは、【主】の宮にある新しい庭の前で、ユダとエルサレムの集団の中に立って、
20:6 言った。「私たちの父祖の神、【主】よ。あなたは天におられる神であり、また、あなたはすべての異邦の王国を支配なさる方ではありませんか。あなたの御手には力があり、勢いがあります。だれも、あなたと対抗してもちこたえうる者はありません。
20:7 私たちの神よ。あなたはこの地の住民をあなたの民イスラエルの前から追い払い、これをとこしえにあなたの友アブラハムのすえに賜ったのではありませんか。
20:8 彼らはそこに住み、あなたのため、御名のために、そこに聖所を建てて言いました。
20:9 『もし、剣、さばき、疫病、ききんなどのわざわいが私たちに襲うようなことがあれば、私たちはこの宮の前、すなわち、あなたの御前に立って──あなたの御名はこの宮にあるからです──私たちの苦難の中から、あなたに呼ばわります。そのときには、あなたは聞いてお救いくださいます。』
20:10 ところが今、アモン人とモアブ人、およびセイル山の人々をご覧ください。この者たちは、イスラエルがエジプトの地を出て来たとき、イスラエルがそこに侵入することをあなたがお許しにならなかった者たちです。事実、イスラエルは彼らから離れ去り、これを根絶やしにすることはしませんでした。
20:11 ご覧ください。彼らが私たちにしようとしていることを。彼らは、あなたが私たちに得させてくださったあなたの所有地から私たちを追い払おうとして来ました。
20:12 私たちの神よ。あなたは彼らをさばいてくださらないのですか。私たちに立ち向かって来たこのおびただしい大軍に当たる力は、私たちにはありません。私たちとしては、どうすればよいかわかりません。ただ、あなたに私たちの目を注ぐのみです。」
20:13 ユダの人々は全員【主】の前に立っていた。彼らの幼子たち、妻たち、子どもたちも共にいた。
5.ヤハジエルはどんな預言をしましたか(14-17)。ヨシャパテとユダの人々はどのようにして敵軍に勝利することができましたか(18-23)。
20:14 ときに、【主】の霊が集団の中で、アサフ族の出のレビ人ヤハジエルの上に臨んだ。彼はマタヌヤの子エイエルの子ベナヤの子ゼカリヤの子である。
20:15 彼は言った。「ユダのすべての人々とエルサレムの住民およびヨシャパテ王よ。よく聞きなさい。【主】はあなたがたにこう仰せられます。『あなたがたはこのおびただしい大軍のゆえに恐れてはならない。気落ちしてはならない。この戦いはあなたがたの戦いではなく、神の戦いであるから。
20:16 あす、彼らのところに攻め下れ。見よ。彼らはツィツの上り道から上って来る。あなたがたはエルエルの荒野の前の谷のはずれで、彼らに会う。
20:17 この戦いではあなたがたが戦うのではない。しっかり立って動かずにいよ。あなたがたとともにいる【主】の救いを見よ。ユダおよびエルサレムよ。恐れてはならない。気落ちしてはならない。あす、彼らに向かって出陣せよ。【主】はあなたがたとともにいる。』」
20:18 それで、ヨシャパテは地にひれ伏した。ユダのすべての人々とエルサレムの住民も【主】の前にひれ伏して【主】を礼拝し、
20:19 ケハテ族、コラ族のレビ人たちが立ち上がり、大声を張り上げてイスラエルの神、【主】を賛美した。
20:20 こうして、彼らは翌朝早く、テコアの荒野へ出陣した。出陣のとき、ヨシャパテは立ち上がって言った。「ユダおよびエルサレムの住民よ。私の言うことを聞きなさい。あなたがたの神、【主】を信じ、忠誠を示しなさい。その預言者を信じ、勝利を得なさい。」20:21 それから、彼は民と相談し、【主】に向かって歌う者たち、聖なる飾り物を着けて賛美する者たちを任命した。彼らが武装した者の前に出て行って、こう歌うためであった。「【主】に感謝せよ。その恵みはとこしえまで。」
20:22 彼らが喜びの声、賛美の声をあげ始めたとき、【主】は伏兵を設けて、ユダに攻めて来たアモン人、モアブ人、セイル山の人々を襲わせたので、彼らは打ち負かされた。
20:23 アモン人とモアブ人はセイル山の住民に立ち向かい、これを聖絶し、根絶やしにしたが、セイルの住民を全滅させると、互いに力を出して滅ぼし合った。
6.ヨシャパテとユダの人々に、神様から何が与えられましたか(24-30)。ヨシャパテの治世の終わりはどうでしたか(31-37)。
20:24 ユダが荒野に面した物見の塔に上ってその大軍のほうを見渡すと、なんと、死体が野にころがっている。のがれた者はひとりもない。20:25 ヨシャパテとその民が分捕りをしに行くと、その所に、武具、死体、高価な器具を数多く見つけたので、これを負いきれないほど、はぎ取って、自分のものとした。あまりにも多かったので、彼らはその分捕りに三日かかった。
20:26 四日目に、彼らはベラカの谷に集まり、その所で【主】をほめたたえた。それゆえ、人々はその所の名をベラカの谷と呼んだ。今日もそうである。
20:27 それから、ユダとエルサレムの人々はひとり残らず、ヨシャパテを先頭にして、喜びのうちにエルサレムに凱旋した。【主】が彼らに、その敵のことについて喜びを与えられたからである。
20:28 彼らは、十弦の琴、立琴、ラッパを携えてエルサレムに入り、【主】の宮に行った。
20:29 地のすべての王国が、【主】はイスラエルの敵と戦われたということを聞いたとき、神の恐れが彼らの上に臨んだ。
20:30 このようなわけで、ヨシャパテの治世は平穏であった。彼の神は、周囲の者から守って、彼に安息を与えられた。
20:31 このようにして、ヨシャパテはユダを治めた。彼は三十五歳で王となり、エルサレムで二十五年間、王であった。その母の名はアズバといい、シルヒの娘であった。
20:32 彼はその父アサの道に歩み、その道からそれることなく、【主】の目にかなうことを行った。
20:33 しかし、高き所は取り除かなかったので、民はなおも、彼らの父祖の神にその心を定めようとしなかった。20:34 ヨシャパテのその他の業績は、最初から最後まで、イスラエルの王たちの書に載せられたハナニの子エフーの言行録にまさしくしるされている。
20:35 その後、ユダの王ヨシャパテは、悪事を行ったイスラエルの王アハズヤと同盟を結んだ。
20:36 彼はタルシシュへ行くための船団をつくるためにこの王と結んだ。彼らはエツヨン・ゲベルで船団をつくった。20:37 そのとき、マレシャの出のドダワの子エリエゼルがヨシャパテに向かって預言し、こう言った。「あなたがアハズヤと同盟を結んだので、【主】はあなたの造ったものを打ちこわされました。」そうこうするうちに、船は難破し、タルシシュへそのまま行くことができなかった。