聖書別日ごとの糧   >>   サムエル記Ⅰ[2024]

2024年 05月 30日 (木)

サムエル記第一8:1-22(7)
わたしが王として彼らを治めることを拒んだ

サムエルは年老いて、息子たちをイスラエルのさばきつかさに任命しましたが、彼らは父の道に歩まず、利得を追い求め、賄賂を受け取り、さばきを曲げていました。そこで、民たちは王を立ててくれと要求しました。長老たちの要求は、一見妥当に思えます。確かに、サムエルが堕落した息子たちを士師にしたことは間違っていました。しかし、それに対して、「ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください」と、世的な方法でこの問題を解決しようとしたことにも問題があります。主にこの問題を解決していただくよう、祈り求めませんでした。サムエルは、これまで預言者として、士師として働いてきましたが、イスラエル人たちの要求は、その働きを完全に否定するようなものでした。そのため、サムエルの心は傷つきましたが、主は、「彼らは、あなたを拒んだのではなく、わたしが王として彼らを治めることを拒んだのだ」と言われました。イスラエルがイスラエルである所以は、神を王とし、神によって支配されている民であるからです。それを拒んだわけですから、本質的にはサムエルではなく、神様を拒んだことになります。

サムエルは、異邦人と同じように人間の王の支配を受けるならば、その王の奴隷になってしまうことを、具体例を出しながら警告しました。ところが、イスラエルの人々は、王が欲しいと主張し続けたので、神様はそれを許可されました。ここに、神様が人に与えられた自由意志の恐ろしさが潜んでいます。私たち人間が自由意思を主張し、神様の警告を聞かないなら、私たちの願うとおりにさせる、ということです。しかし、その自由意思が生み出すものは、自分で蒔いた種は自分で刈り取るという原則に基づいた悲惨な結末です。イスラエルは堕落と分裂、沒落の道に向かうようになります。



祈り:主よ、他人の価値観に合わせて自分の態度や選択を決めてしまうことがあることを悔い改めます。世の基準や文化に従うのではなく、私の王である神様の御言葉に従い、離れることがないようお助け下さい。

一言:主なる神様


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