聖書別日ごとの糧   >>   士師記[2024]

2024年 01月 26日 (金)

士師記8:1-21(3)
あなたがたに比べて、私が何をなし得たのでしょう

 ミディアン人との戦いで大勝利を収めたとき、エフライム人はギデオンに文句を言いました。出陣の際に、なぜ声をかけてくれなかったのかと。酒ぶねの中で小麦を打っていたギデオンが、今や英雄気取りをしていることが気に食わなかったのでしょう。しかし、彼らもミディアン人の首長オレブとゼエブの首を打つ手柄を立てています。それなのに、主が与えて下さった勝利を喜ばずに、ギデオンに抗議するのは彼らの嫉妬やプライドのせいです。

 ギデオンは、謙遜に彼らの功績を認めてあげました。「アビエゼルのぶどうの収穫よりも、エフライムの取り残した実のほうが良かった」と言います。これはエフライムが行ったことは、ギデオンがしてきたこととは比べものにならないほど素晴らしいと相手の手柄を称えました。これでエフライム人の怒りは和らぎました。柔らかな答えは憤りを静めますが、激しいことばは怒りをあおります(箴言15:1)。ギデオンはリーダーとして尊ばれ、英雄として敬われる立場になった時でも謙遜に対応し、一部族さえ分裂することがないように、神様が与えてくださった働きをよく担いました。

 彼は戦いをやめず、三百人の勇士たちと一緒に、ミディアン人の王ゼバフとツァルムナを追撃しました。食糧が足りなくなった時、スコテとペヌエル人に支援を頼みましたが断られました。神様の御業であることを認めず、無関心なままでいる彼らに対して、ギデオンは裁きを予告しました。最終的にギデオンは二人の王を生け捕りにし、非協力的だったスコテとペヌエルに厳しい処罰が下しました。ギデオンがなし得たことは、大きな勝利です。しかし、その大きさに慢心することなく、いつの時も謙遜であり、また主の働きに忠実だからこそ、大勝利があることを聖書は教えてくれます。



祈り:嫌味な声が聞こえると、つい自分のことと相手のしたことを比べ攻撃しがちになりますが、相手を褒め、認める思いを与えてください。

一言:柔らかな答え



2024年 01月 27日 (土)

士師記8:22-35(23)
主があなたがたを治められます

 ミディアン人との戦いで勝利を収めたギデオンの功績を称えて、イスラエルは彼とその子孫にいつまでもイスラエルを治めてほしいと申し入れました。王がいないことに不安を覚えていたイスラエルが、彼のようなリーダーを待望していたのは当然だったかもしれません。しかし、ギデオンは民の申し立てにこう答えました。「私はあなたがたを治めません。また、私の息子も治めません。主があなたがたを治められます」。神様がさばきつかさを立てられた理由は何でしょうか。神様ご自身がイスラエルの王となられ、神様がイスラエルを治めておられることを示すためでした。ギデオンはそれをよく知っていたのでしょう。全イスラエルが懇願しても彼は神様の御心に背くことはしませんでした。

 人は大きな栄光と誉れを得ると、分別を失いがちです。けれども、真の英雄はどんな場合でも越えてはいけない一線を守ります。臆病風に吹かれ、神様を試し続けたギデオンを召され、さばきつかさに立たせたのは、神様です。ギデオンがだめなら、神様はまた別の人を起こして治められます。私たちはただ主に任されたことに忠実であるべきことを聖書は教えます。戦いの勝利だけでなく、人々の要求に対しても、一線を超えることなく勝利したギデオンは真の英雄です。

 しかし、そんな彼も完璧ではありませんでした。勝利を記念する目的で、民からもらった金でエポデを作りました。それが神様を覚える記念になればよかったのですが、偶像崇拝への罠になってしまいました。彼はまた、大勢の妻と七十人の息子を持ったことによって、後々の分裂の火種を残してしまったのです。



祈り:人が人を治めているような社会の構図に私たちは生きていますが、私ではなく、全て人は神様のもとに治められていて、私は牧者にすぎないことを謙遜に認めるようにお助けください

一言:主が治めてくださいます


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