聖書別日ごとの糧   >>   士師記[2024]

2024年 01月 31日 (水)

士師記11:1-28(5,6)
用意されたリーダー、エフタ

 エフタはギルアデ出身の勇士でしたが、遊女の子でありました。彼は正妻の子どもたちから家を追い出され、集まってきたならず者と共に生活していました。しばらくして、アンモン人がイスラエルに戦争をしかけてきた時、ギルアデの長老たちはエフタを連れ戻しに訪ねてきました。長老たちはエフタが首領になって一緒に戦ってほしいと頼みました。エフタは主が勝利を与えてくださった時には、必ずかしらになるとミツパで主の前に告げました。エフタはアモン人と戦う前に、外交的な解決を試みました。出エジプトした当初、イスラエルは周辺国と戦うつもりはありませんでした。荒野を移動する際、アモリ人の王シホンに通過を頼みましたが、シホンは通らせなかったばかりかイスラエルを攻撃してきました。戦うことを余儀なくされ、神様は戦いの勝利とその地を与えてくださいました。こうしてその地はイスラエルの領土となって三百年が経ちました。その間、アンモン人は土地を取り戻すようなこともせず、半ば認めていたのに、今になって突然取り戻そうと戦いを挑んで、害を加えようとするのは筋違いなことだとエフタはアンモン人の王の主張に反論しました。

 エフタは遊女の子という出自のゆえに、父の家ではのけ者にされ、追い出され、辛酸をなめました。しかし、彼は自分の不遇な境遇に屈することなく、神様に用いられる人として自分を主に献げました。時になると神様は彼を召され、救いの御業の中心に立てられました。イスラエルの歴史に精通し、霊的洞察力にも優れたリーダーとして敵国の王と談判しました。彼は、召される前、神様の律法と歴史を学んでいたことが察せられます。用意されている人には必ず時が来ます。



祈り:自分の環境や境遇のことばかりで不平を持つだけで、何もしていないような者である部分があります。くさらずに日々主に仕えるようにお助けください。

一言:必ず時が来ます



2024年 03月 16日 (土)

士師記11:29-40(30)
エフタの一人娘

 主の霊がエフタの上に下ったとき、彼はアンモン人のところへ進んで行きました。彼は戦いを前に神様に切に祈り、誓願を立てました。アンモン人を自分の手に与えてくださるなら、無事に帰って来た時に、最初に家の戸口から迎えに出て来る者を主のもの、つまり全焼のささげ物として献げるとしたのです。果たしてその通り、主はアンモン人をエフタの手に渡されました。エフタは二十の町を打ち、敵を非常に激しく討ったので、アンモン人はイスラエル人に屈服しました。エフタが自分の家に帰ると、最初に出迎えたのは自分の娘でした。エフタは踊りながら迎えに出て来た一人娘を見るや、自分の衣を引き裂いて苦しみました。誓願を取り消したい気持ちだったでしょう。しかし、彼は主に向かって口を開いたのだから、もう取り消すことはできないと告白します。すると、娘も主に対して口を開き、主が勝利をくださったのだから誓願通りにしてくださいと言いました。エフタと彼の娘は、神様を恐れ敬う信仰を優先したのです。

エフタの誓願には問題があります。信仰によってとはいえ性急な誓願を立ててしまいました。しかし、アンモン人との戦い自体、いのちをかけるほど熾烈でした。それほどの戦いを強いられ、敵を前にして全面的に主に委ね切った祈りの勇士でもありました。一人娘という尊い犠牲を払いましたが、主は彼の誓願に答えて、勝利を与えてくださいました。これは神様がキリストという一人息子の犠牲を払っても、信じる者に罪からの救いと勝利を約束される福音の型でもあります。イエス様も十字架を前にし、ゲツセマネで血を流すほどに悶え、祈られました。自分自身の全てを曝け出して、主に祈る、その先に勝利を与えてくださる主にあなたは全面的に屈しているでしょうか。まだどこか自分に余力を残したようなぬるい祈りを捧げていないでしょうか。



祈り:私の問題をどこまでも委ねきれず、中途半端な助けを求めるような祈りの姿勢であったことを悔い改めます。あなたに降伏した、切なる祈りの心を備えるようにお助けください。

一言:全面的に主に委ねて祈りましょう


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