Ⅰ．正しいことを述べる知恵(1-9)
　遊女は暗い道ばたで人々を誘惑しますが、知恵は丘の頂、道のかたわら、通り道の四つ角など、多くの人々が行き来するところで、声を上げて呼ばわります。「わきまえのない者よ。分別をわきまえよ。愚かな者よ。思慮をわきまえよ。」(5)。知恵は最も高貴なことについて語り、正しいことを述べ、悪を忌み嫌います。いつも正しいことを話し、そのうちには曲がったことやよこしまはありません。知恵は暗い所とじめじめした所を嫌い、知恵ある者にはっきりと現われます。
Ⅱ．知恵を熱心に捜せ(10-21)
　知恵はどんな宝より尊いものです。知恵は銀や黄金よりもすぐれ、真珠にまさり、どんなものも比べることができません。知恵を得る者は分別を住みかとし、知識と思慮を所有するようになります。摂理とすぐれた知性を得るようになります(14)。また知恵を通して王たちは国を統治し、君主たちは正義を判定し、国の指導者と裁判官は民たちを治めるようになります。
　ではどのような人が知恵を得るようになるのでしょうか。「わたしを愛する者を、わたしは愛する。わたしを熱心に捜す者は、わたしを見つける。」(17)。知恵を愛し、熱心に捜す者たちが知恵を得ることができます。知恵を得る者は神様の祝福を受け、富と財産も得るようになります。

祈り：主よ！私が知恵の御言葉を愛し、知恵を得るために熱心に捜す者となるように祈ります。

一言：知恵を熱心に捜せば、得るようになる。

Ⅰ．知恵の源(22-31)
　著者は今知恵の源は何であるのかを明らかにしています。知恵は果たしてどんな存在であり、なぜ人はそれほどまでに捜し求めなければならないのでしょうか。知恵は、神様が天地をお造りになる前から、神様と共におられました(22,23)。また天地万物を造られた時も、神様と共におられ、全ての創造の御業に参加されました。そして人々のために肉のからだでこの地に来られました。
　この知恵はすなわち初めから神様と共におられた神様の御子「イエス・キリスト」を指しています(ﾖﾊ1:1-3)。イエス・キリストは神様の知恵として(Ⅰｺﾘ1:24)、この中に知恵と知識とのすべての宝が隠されています(ｺﾛ2:3)。私たちはイエス様を通して神様と共にいることができます。
Ⅱ．いのちを得る道(32-36)
　知恵が呼ぶ声を聞き、その道を守る者は幸いです。また訓戒を聞いて、日々知恵を待つ者は幸いです。それは、知恵すなわちイエス・キリストを得る者がいのちを得て、神様から恵みをいただくようになるからです(35)。しかし知恵を失う者は自分自身をそこない、結局は死に至るようになります(36)。それで私たちは知恵の本体であるイエス・キリストを受け入れ、その御言葉に絶対的に聞き従わなければなりません。イエス・キリストを得る者は全てのものを得ます。

祈り：主よ！罪人が知恵の御言葉を無視してた罪を悔い改めます。これからは主の御言葉を待ち、聞き従います。

一言：神様の知恵、イエス・キリスト