聖書別日ごとの糧   >>   マルコ[2022]

2022年 02月 15日 (火)

マルコの福音書5:1-20(9)
おまえの名は何か

 イエス様が湖の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた時、汚れた霊につかれた人に会いました。彼は夜も昼も墓場や山で叫び続け、石で自分の体を傷つけていました。本来なら彼にも家庭や社会に自分の居場所があったはずです。もしかしたら、そこで数々の問題行動を起こしたのかもしれません。そんな彼の問題を解決するために、人々は足かせと鎖でつないで置きました。しかし、彼はそれを引きちぎり、砕いてしまい、誰にも彼を押さえることができませんでした。彼は人々から離れた所、誰もいない墓場に住んでいました。誰にも干渉されずに自由気ままに生きるはずが、彼の心の中には安息も自由もありませんでした。彼は苦しみ悶えていました。家庭や社会からは逃げ出すことができたものの、自分自身からは逃げることができませんでした。

 彼は遠くからイエス様を見つけて、走って来て拝しました。そして、自分を苦しめないようにお願いしました。それは、イエス様がすでに彼に「汚れた霊よ。この人から出て行け」と言われたからです。イエス様は、彼の中に居座っている汚れた霊の存在を見抜かれました。そして、彼に「おまえの名は何か」とお尋ねになりました。これは、彼の中の闇の存在を暴いて光へと導くためであり、失われた本来の姿を取り戻してあげるためです。両刃の剣のように鋭く、強力なイエス様の御言葉の権威の前で、彼の中に居座っていたローマ軍隊のような大勢の悪霊が正体を現しました。誰も彼が抱えていた問題を知ることができず、解決してあげることもできませんでしたが、イエス様は正確に見抜かれ、大勢の悪霊を追い出してくださいました。イエス様は、彼を助けるために豚二千匹を犠牲にしました。悪霊が出て行って正気に返った彼に、イエス様は使命を与えました。彼は自分の家族の所に帰って、イエス様が自分にどれほど大きなことをしてくださったか、どんなに憐れんでくださったかをデカポリス地方で言い広めました。



適用:お前の名は何か

一言:私の名は○○○○


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