聖書別日ごとの糧   >>   使徒の働き[2019]

2019年 08月 10日 (土)

使徒の働き17:1-15(11)
毎日聖書を調べた

 ベレヤの人々は、「良い人たち」で、「非常に熱心に」御言葉を聞きました(11)。ここで、「良い」の原語は「ユウゲネース」で、「より素直な」「より立派な心がけを持った」という意味の言葉です。イエス・キリストについての話を、ありのままの心で、また積極的に聞いたということです。
 彼らはまた、毎日、聖書を調べました。 御言葉を熱心に聞いて受け入れることも大切でが、その御言葉が自分のものとなり、自分の中に深く根を下ろすためには、自分で聖書を調べることが、もっと大切です。イエス様は、本当に私のキリストなのか、イエス様の復活は、果たして私にとって、どんな意味があるのか。何度も考え、顧み、心に刻んでいきます。調べることは、反芻すること似ています。一晩中、食べた物を反芻する牛は消化不良がなく、栄養分も完全に消化する、と言われています。このようにすれば、救いが自分の救いとなり、復活が自分の復活となります。救いによる感謝と喜びがあり、復活の力が、自分の生活に現れます。
 アテネの人々は、目新しいことを探しては議論をし、そこに人生の生きがいを見出そうとし、存在意義を得ようとしましたが、何も残りませんでした。一方、ベレヤの人々は調べました。ただ知識を得るためだけに学んだのではありません。御言葉は生き方です。御言葉は人生です。御言葉は人です。その御言葉が私たちの中に溶け込んで、私たちの人生を豊かなものにし、実を結ぶ人生にします。仕える人、健康な人を作ります。日本人の大部分は、みそやしょうゆ、納豆などの発酵食を好みます。勉強も、繰り返し覚えることで、意味を吟味できます。御言葉を熱心で素直な心で受け入れるための良い伝統を持っています。ところが、今日では、熟成よりもスピードを求めます。そうすると、深い味が出ません。切なる心なのか、好奇心なのか。深みに進むのか、新しいものを求めるのか。どちらが幸いなのか、答えははっきりしています。幸いな人は、ただ主の教えを喜びとし、その教えを昼も夜も口ずさみます。すると、その人は水路に植わった木のように、時が来ると実がなり、その葉は枯れず、その人は何をしても栄えます。(詩1:2-3)


適用:どんな姿勢で御言葉を受けるのか

一言:切実に、深く



2019年 08月 11日 (日)

使徒の働き17:16-34(30)
全ての人に悔い改めを求めています

 今日は、パウロの二次伝道旅行の中の一つ、アテネ伝道についてのお話です。パウロはアテネの町に、偶像があることを見ました。当時のアテネは、ローマ、アレキサンドリヤと共に、世界三大都市の一つであり、人類の思想を動かしたギリシャ哲学者たちの活動舞台でした。ところが、最高の知識を誇っているはずの人々の所に、偶像が満ちているのを見て、真理を愛するパウロは、霊的な怒りを感じました。 パウロは、会堂と広場で、日々人々と論じて、福音を伝えました。すると、あるエピクロス派とストア派の哲学者たちが、パウロと論じ合いました。前者は、「神と死を恐れずに、精神的な快楽を求め、人生を楽しもう」とする有物論的な世界観を持った人々であり、後者は、「理性によって、自分を統制する禁欲的な生活を通して、最高の善に到達しよう」とする凡神論的な世界観を持った人々でした。今日の世界にも、このような世界観を持った人々がいます。
 彼らは、知的好奇心を持って、パウロをアレオパゴスに連れて行き、彼の言葉を聞こうとしました。知性的な哲学者たち、聖書と神様を知らない人々に、福音を伝えることは、やさしいことではありません。パウロは彼らの宗教性を称賛しながら、創造主の神様を紹介しました。創造主とは、超越者でありながらも、人間の歴史に介入する歴史(御業)の神であるという意味です。その子供である私たちを救われるイエス様の十字架、罪の悔い改め、からだのよみがえり、さばきについて証ししました。パウロのアレオバゴスでのメッセージは異教文化圏に住む現代人たちに、何を話さなければならないのかを教えてくれます。創造主である神様、歴史の神様、十字架の贖い、悔い改めと復活の望み、さばきなど、福音の核心となるメッセージを余すところなく、伝えなければならないことを教えてくれます。哲学と文化だけでなく、悔い改めと復活とさばきまで、全て話すべきメッセージを伝えなければならないことを、教えています。アテネのメッセージは理性と偶像と哲学で満ちた世俗文化の中で、どのように福音を伝えることができるかを見せてくれる、良い例です。


適用:本当の神様についての真理に到達するために、何が必要でしょうか

一言:知性と霊性


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