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2019年 10月 11日 (金)

使徒の働き25:1-27(11)
 カイザルに上訴したパウロ

 フェストがカイザリヤの総督になった後、エルサレムを訪問しました。すると、宗教指導者たちは、パウロを途中で殺害するために、エルサレムに呼び寄せるように懇願しました。ところが、フェストは彼らをカイザリヤに下って行って、彼を告訴しなさいと言いました。パウロは法廷で、「私は、ユダヤ人の律法に対しても、宮に対しても、またカイザルに対しても、何の罪も犯してはおりません。」と積極的に弁明しました。パウロは自分にローマ市民権があることを利用し、「私はカイザルに上訴します。」と、ローマに行って皇帝の判決を受けることを求めました。パウロは、囚人の身のままであっても、何としてでもローマに行き、そこで、福音を宣べ伝えたいと思いました。もちろん、パウロもできれば自由の身で、ローマに行きたいと願ったことでしょう。しかし、ユダヤ人たちが彼を殺害しようとしていたこの状況では、囚人であるほうが、かえってローマ軍の保護を受けられて安全でした。パウロは、ローマに行って福音を宣べ伝えることへの切なる願いと望みを実現するためには、囚人の身であろうとも、自由の身であろうとも一向に構いませんでした。ユダヤ人からいのちを守るために無罪の弁明をしたり、ローマ市民権を活用したりと、ローマに行くためにあらゆる知恵を出しました。ローマでの福音伝播のために、捨てるべきこと、活用すべきことをよくわきまえていました。このように、福音の敵が多いこの世では、福音を伝えるために、蛇のようなさとさと、鳩のような素直さを持ち合わせるべきです。
 数日後、アグリッパ王が訪ねて来た時、総督フェストはアグリッパに、パウロのことを解決してくれるように頼みました。パウロをカイザルの法廷に立たせるために必要な罪状を、フェストは何一つ見つけることができなかったからでした。これによって、パウロはアグリッパとフェストのような世の権力者たちにも、福音を宣べ伝える機会を得ることができました。


適用:敵対する者や権力者の中で、どのように福音を伝えられるでしょうか

一言:知恵と素直さ


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