聖書別日ごとの糧   >>   使徒の働き[2019]

2019年 10月 14日 (月)

使徒の働き 27:1-12(11)
ローマに向かう船で

 パウロの無罪がアグリッパ王とフェスト総督の前に証明されましたが、すでにパウロがカイザルに上訴していたので、彼はローマに護送されました。彼はたとえ囚人の身であろうとも、ローマの兵士たちの護衛を受けながら、夢にまで見たローマに福音を伝えに行きました。パウロと囚人数人は、百人隊長ユリウスに引き渡され、彼らを運ぶ船はローマに向かいました。パウロと同行した福音の同労者はルカとテサロニケ人アリスタルコでした。彼らは二種類の船に乗りましたが、最初はアドラミテオの船を利用しました。この船は、アジヤの沿岸の各地を通りましたが、船はカイザリヤを出発してキプロスの島陰を航行しました。そしてキリキヤとパンフリヤの沖を航行して、ルキヤのミラに入港しました。そこで彼らは、第二の船アレキサンドリアに乗り換えましたが、これは、ローマとエジプトを行き来する大規模な穀物船でした。船はようやくクニドの沖に着きましたが、サルモネ沖の前を通って、クレテ海岸を風防として、その沿岸を通って、良い港と呼ばれる所に着きました。その近くにラサヤの町がありました。このような詳細な行き先の記録を通して、福音の働きの臨場感が増しますが、この航行が非常に難しかったことをも教えてくれます。航海は風の状況に左右されるので、長くかかり危険でした。しかし、神様はすべての旅の中でパウロとともにされ、彼をローマに導き、世界宣教の歴史に新たな章を開きました。
 良い港に船が着いた時、パウロは断食する季節の9月中旬が過ぎた今は、航海してはならないことを知っていました。だから、今回の航海は積荷と船体だけでなく、人々にも危険だと言いました。しかし百人隊長は船長と航海士の言葉をパウロの言葉よりも信用し、クレテの港であるピニックスに行って冬を過ごそうとしました。船長は船員の知識と経験に頼り、航海士は利権を逃さないようにしました。百人隊長は、生命と財産を守ろうとするパウロの言葉を無視して出港を強行しました。パウロは囚人の身であっても、実は航海する人々の羊飼いでした。


適用:人生という航海で誰の言葉に耳を傾けなければならないでしょうか

一言:羊飼いの言葉



2019年 10月 15日 (火)

使徒の働き 27:13-26(24,25)
皆さん。元気を出しなさい

 パウロの一行を乗せた船は、百人隊長の誤った判断により、良い港を離れてクレテ港に向かって出航してしまいました。最初は南風が穏やかに吹き良かったのですが、すぐに彼らはユーラクロンという暴風に巻き込まれました。船は嵐が吹くまま流され、人々は荷物を海に投げながら必死でした。しかし、コンパスの役割を果たす太陽と星さえも数日見えなかったので、救いの希望さえなくなり、彼らは暴風の中をさ迷いました。この時、パウロが彼らの中に立って、安心させました。神様の御使いが彼に夜現れて言った言葉を伝えました。つまり、神様はパウロを必ずカイザルの前に立たせるので、皆のいのちも助かるいうことです。その言葉通り、彼ら276人のうち、髪一筋も失った者はなく、みな救われました。
 人生の嵐に遭って、すべての人々が絶望したとき、パウロは彼らに希望を与えました。これは、神様がパウロに現れ、力と勇気を奮い立させてくださったからです。神様は絶望の中で、パウロの希望になられました。パウロの為の頼れる岩、苦難の中を避ける岩になってくださいました。このような中で、パウロは人々に希望を与えることが出来ました。神様はすべての命を統べ治められている方です。神様はパウロの命を患難の中でも瞳のように守り、保護されました。これは、パウロにローマ福音伝道という使命があったからです。苦難の中で神様に頼り、神様に仕える者が勝利します。人は普段は自分の知恵と力を信じて心高ぶります。しかし病気、破産、事故、戦争などの嵐に遭うとき絶望します。その時、初めて神様を信じ、仕える者がどんなに賢く賢明かを知るようになります。私たちは、どこかに属し、また何かに仕える存在です。神様に属して神様に仕える者を、神様は責任を持って保護してくださいます。また、その人を通して希望を失った多くの命を救ってくださいます。


適用:嵐の中でどうするべきですか

一言:神様を信じます



2019年 10月 16日 (水)

使徒の働き 27:27-44(34)
あなたがたの頭から髪一筋も失われることはありません

 パウロの一行が漂流してから十四日目になりました。真夜中に、水夫たちは船が陸地に近づいていることを知りました。水夫たちは、船が暗礁に乗り上げはしないかと心配し、アンカーを投げ下ろして夜が明けるのを待ちました。そしてこっそり小舟に乗って逃げようとしました。パウロはこれに気づいて百人隊長と兵士たちにこれを知らせ、防ぎました。また、パウロは2週間も何も食べなかった人々に、食べ物を食べるように勧めて、彼らに信仰を植えました。 「あなたがたの頭から髪一筋も失われることはありません。」彼がそう確信している理由は、神様から彼に与えられた約束に対する信仰があったからです(23,24)。神様の約束を信じる人は、パウロのように危機の時にも平安を保つことができます。
 夜が明けると、港湾が目に入りました。そこに移動する途中、船が何かにかかって動けなくなりました。さらに悪いことに、大波で船が壊れ始めました。すると兵士たちは、囚人が泳いで逃げてしまわないように殺そうとしました。パウロも囚人なので殺される危機に直面しました。しかし、この時、百人隊長がパウロを救うために、彼らの計画を防ぎました。結局は船に乗っていた276人全員が無事に上陸できました。神様は、彼らの髪一筋も失われないようにされました。神様は荒波と暴風の中で約束された通りに、パウロの一行を保護されました。パウロは囚人の身です。しかし彼は船長や百人隊長よりも落ち着いて責任を持ってリーダーとしての役割を果たしました。彼は絶望する者に希望を与え、危機の中で信仰の中心を守りました。パウロがこのように振る舞えたのは、神様を信頼していたからです。神様の約束を堅く掴み、神様の救いを確信している人は、絶望の中でも人々に希望を与え、命を生かすことができます。


適用:髪一筋も失われないように保護してくださる神様を信じますか

一言:みな、無事に陸に上がった


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