聖書別日ごとの糧   >>   使徒の働き[2019]

2019年 10月 17日 (木)

使徒の働き 28:1-10(5)
何の害も受けなかった

 パウロの一行が到着した島は、「マルタ」という島でした。そこの先住民は寒さに震える彼らのために、火を焚いてもてなしてくれました。パウロがひとかかえの柴をたばねて火にくべると、蛇がはい出して来て、彼の手に取りつきました。先住民は、互いに話し合いました。「この人はきっと人殺しだ。海からはのがれたが、正義の女神はこの人を生かしてはおかないのだ。」原住民は毒蛇にかまれたパウロが突然倒れ死ぬだろうと思いました。ところが、パウロは蛇を火の中に振り落として、何の害も受けませんでした。蛇の毒もパウロを害することができませんでした。するとパウロを人殺しだと思っていた先住民たちは、彼を神と呼んで特別な存在として受け入れました。パウロが神の人だからといっても苦難が避けて行くわけではありません。暴風や毒蛇にかまれる苦難にも遭いました。しかし、神様は蛇の毒からパウロを守られました。神様は苦難の中でパウロを高め、福音を伝える機会を与えてくださいました。生きていれば誰でも苦難に遭います。しかし、神様を信じる者には、苦難は、神様の栄光を表して福音を伝える機会を提供してくれます。
 パウロは、その島の領地ポプリオの父が熱病と下痢にかかって床に着いていることを知り、祈ってから、彼の上に手を置いて直しました。この知らせを聞いた他の病人たちもパウロを訪ねてきて直してもらいました。このように直してもらった人々は、パウロの一行を手厚くもてなしました。冬を過ごしてから、彼らが出帆するときにも、パウロの一行が食べたり飲んだりするものを用意してくれました。神様はパウロにローマ福音化のビジョンをくださいました。そして、そのビジョンを実現するまでパウロとともにおられました。様々な苦難の中でパウロを保護し、すべて必要なものを備えてくださいました。この神様は、私たちに与えられたビジョンと使命を達成するまで私たちを保護するだけでなく、必要なものを備えてくださいます。


適用:神様は私たちのためにどんなことをされますか

一言:保護と備え



2019年 10月 18日 (金)

使徒の働き 28:11-22(15)
勇気づけられた

 マルタで冬を過ごしてから、パウロの一行は、アレキサンドリヤの船に乗ってシラクサに到着しました。そこに三日間とどまってから、レギオンに向かって出発しました。レギオンに到着後、一日が経過してから、ポテオリに向かって出発しました。パウロはポテオリで降りた後、百人隊長の好意で7日間そこにいる兄弟たちと一緒に時を過ごす喜びを味わいました。いよいよパウロはどうしても見たいと思っていたローマに到着しました。数多くの苦難を乗り越えてローマに到着したとき、その感激はどうだったでしょうか。神様は約束通りパウロをローマに導かれました。パウロがローマに来る知らせを聞いたローマ教会の聖徒たちはアピオ・ポロとトレス・タベルネまで出迎えに来てくれました。パウロは囚人の身としてローマに来ました。しかし、ローマ教会の聖徒たちの熱烈な歓迎を受けて勇気づけられました。神様はパウロに言われた約束を守られました。神様はパウロの約束を守るために彼らを暴風の中から救い出されました。蛇の毒からも救い出してくださいました。パウロも人なので長い航海のために心身が疲れていたはずです。神様はポテオリで聖徒たちとの交わりとローマの聖徒たちの歓迎を通して疲れたパウロを慰められました。パウロは、聖徒たちとの交わりを通して勇気づけられました。
 私たちは難破船のような世界で生きています。多くの苦難が私たちを苦しめます。しかし、我々は一人ではありません。パウロとともにされた神様は私たちとともにおられます。同じ神様を信じて信仰の道をともに歩んでいる同労者たちが日本と世界各地にいます。神様は彼らとの交わりを通して私たちを慰め、勇気づけられるように助けてくださいます。私たちは苦難の中でも神様の使命を果たす同労者たちを大事に思って慰め、勇気づける者になるべきです。


適用:聖徒たちとの交わりが与える有益は何ですか

一言:慰めと勇気



2019年 10月 19日 (土)

使徒の働き 28:23-31(31)
大胆に、少しも妨げられることなく、教えた

 パウロは番兵付きで自分だけの家に住むことが許されました。パウロはローマのユダヤ人の中、有力者を招待して朝から夕方まで神の国を証しし、モーセの律法と預言者の言葉を持ってイエスのことを証ししました。しかし、その反応は残念なものでした。彼らは福音について互いに意見が一致せず、帰りかけました。この時、パウロは力が抜ける思いだったでしょう。しかし、パウロは落胆しませんでした。同族の排斥がすでに預言者イザヤを通して語られたことを覚えていました。彼は神様の救いが異邦人のところに送られたことを受け入れました。ところがローマでの福音の働きに仕える時、彼の、環境は良くありませんでした。パウロは監獄には閉じ込められませんでしたが、自費で借りた家で拘留されていました。彼は道に出て自由に福音を伝えることはできませんでした。しかし、パウロは状況を言い訳にはしませんでした。彼は自分が置かれた環境の中でできる仕事を始めました。パウロは、神様を信じて借家にやってくる一人一人を受け入れて、神の国を宣べ伝えて、イエスキリストのすべてを大胆に教えました。更に彼は自分を監視するために訪ねてくる兵士を受け入れ、福音を伝えました。借家に訪れる人を迎えて、福音を伝え、聖書を教えるパウロの働きは、当時の巨大国家であるローマに比べてあまりにも小さく見えます。しかし、借家で始まった聖書研究を介して一人一人の心の中に神の国が広がりました。パウロを通して福音を受け入れた人々は、別の人々に福音を伝え、聖書を教えました。このようにして福音は、ローマの隅々まで広がっていきました。いよいよA.D. 313年、ローマはキリスト教を国教として承認するに至りました。一人一人を受け入れて、福音を伝え聖書を教えることは決して小さなことではありません。


適用:大きなビジョンを抱いて今日すべきことは何ですか

一言:一人に福音を教えなさい


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