聖書別日ごとの糧   >>   レビ記[2021]

2021年 12月 08日 (水)

レビ記20:1-27(7,8)
わたしはあなたがたを聖なる者とする

 20章は、18と19章で既に扱われた戒めを、もう一度取り上げ、その刑罰について詳しく説明しています。イスラエルの民はこれから約束の地カナンに入ろうとしていました。彼らがカナンの地の異邦人たちから影響を受けて、区別された聖なる生活から離れてしまう可能性を、神さまは危惧されました。それで、あらかじめ厳しい罰則を示すことで彼らに問題意識を持たせ、心を準備されました。

 1-8節は、偶像崇拝の罪に対する刑罰を記しています。約束の地カナンでは、人々は子どもをモレクに与えることをしていました。モレクとは、雄牛の頭の形をした青銅の像のことです。カナンの宗教の総称で、アモン人の神でもあり、「ミルコム」とも呼ばれる偶像です(Ⅰ列王11:33)。モレクを崇拝する者たちは、自分たちに大きな危機や困難が迫った時に、自分の子ども(乳児)をいけにえとしてささげました。これほど大きな犠牲を払うからには、モレク神は必ずや自分たちを危機から救ってくれるだろうという偶像の神とのバーター契約のような行為でした。これは、最も大切な我が子を犠牲にしてでも自分を救いたいという究極の自己中心からくる行為でした。また、イスラエルと共にいて下さる主とその力を否定する不信仰からくる行為でもありました。ですから、神の聖所を汚し、神の聖なる名を汚す行為であり、死刑に相当します。霊媒や口寄せを慕う罪も、同様に重たい刑罰の対象となります。

 9-27節は、不道徳の罪に対する刑罰を記しています。具体的に記されており、全て死に値する罪となります。これらの罪はすべて、カナンの地の先住民たちが行っていたことでした。神の民は、そのような先住民たちの道徳観と同じ基準を持つようになってはなりません。高い道徳観と純粋な信仰をもって生活することが、諸民族の中から選り分けられた主の民としての生き方です。



適用:主はわたしをどんな者にしてくださっていますか

一言:聖なる者


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