2021年 02月 11日 (木)
帰って来てください
6篇は、懺悔の詩の一つです。詩人は自分の罪によって、主の御怒りと憤りを意識していました(1)。衰えて、骨だけでなく、たましいもひどく恐れおののいていると言っています(2,3)。そのうえ、敵は、「神様は、お前から離れた」と不信を植えつけ、「死とよみ(地獄)が待ち受けている」と脅しました。それによって、詩人は「嘆きで疲れ果て、夜ごとに涙で寝床を漂わせ、ふしどを大水で押し流しました。」(6)。「目は苦悶で衰え、すべての敵のゆえに弱まりました。」(7)。私たちも罪の中にいれば、疲れ果て、心とたましいが苦しみを受けます。罪の中で生きるのが、一番哀れです。人は自分の力では、罪の重荷を取り除くことができないので、一生このような罪の苦しみの中で生き、死ななければならない運命でした。
苦しみの淵の中で詩人は何をしたでしょうか。彼は、「主よ(4)」と神様を呼びました。罪に倒れた時は、より一層、神様のことを思い、神様に頼らなければなりません。彼はまた、神様に「帰って来て」ください(4)と懇願しました。罪を犯した人が、どのようにして「このような私から離れず、見捨てず、私を受け入れてください。」と祈れるのでしょうか。変わることなく愛してくださる神様、救い出してくださる神様を信じたからです。神様は罪深いこの世に、ご自分のひとり子をお与えになることでその愛を示してくださいました。その愛によって、罪人は救われます。
詩人は言います。「不法を行なう者たち、みな私から離れて行け。」(8)。不法を行なう者とは、神様の愛を疑わせ、神様の救いを信じさせない者です。神様の愛と救いを確信している人は、敵の悪企みにつまずきません。罪に倒れて苦しむ時、攻撃してくる敵に対して、私たちは力強く「私から離れて行け」と宣言しなければなりません。そして、神様に拠り頼み、「主よ、帰って来て下さい」と祈らなければなりません。
適用:愛と救いの神様を信じていますか
一言:主よ、帰って来て救ってください
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