聖書別日ごとの糧   >>   ピリピ[2020]

2020年 08月 19日 (水)

ピリピ人ヘの手紙2:1-11(2)
思いを一つに

 パウロはピリピ教会が一つになれず、ギクシャクしていると聞いて、「心を合わせ、思いを一つにして、私の喜びを満たしてください。」と勧めました。ピリピの聖徒たちには、キリストにある励まし、慰め、交わり、愛情とあわれみがあるはずだという前提で話しました。クリスチャンはキリストによって慰めがあふれている者であります(Ⅱコリント1:5)。
 それでは、思いを一つにするために何をどう具体的に考え動いてゆけば良いのでしょうか。第一に、何事も利己的な思いや虚栄からしてはいけません。へりくだって互いに人を自分よりすぐれた者と思い、尊重しなければなりません。古代ギリシアの影響を強く受けていた当時の社会では、へりくだることは、美徳ではなく欠点だと考えられていました。特に男らしさは、自己主張することにあると考えられていました。しかしパウロは、へりくだりのある所に思いの一致があるだのと言います。キリストの愛で慰められる時、私たちは人の愛や認めから自由になり、へりくだって愛を他者に分け与えるようになります。自然と相手が自分よりすぐれた者と思えるようになります。第二に、自分のことだけに熱心な利己主義者にならないで、ほかの人のことも顧みる必要があります。自分のことを考えること自体は、悪いことではありません。パウロは、自分のこと“だけ”を考えることが、他者との一致の妨げになっていると言っているのです。最後に、パウロはキリストが神としての力を誇示せず、人と同じになって私たちのうちに来て下さったと言っています。イエス様は、無知で恩知らずな罪人の私たちに仕えるために、しもべとなって来られました。イエス様は、十字架にかけられても父なる神さまの愛を疑いませんでした。そんなイエスさまの思いを私たちが抱くなら、教会は一つとなることができます。


適用:私たちを一つにする思いは何ですか

一言:イエスさまの思い



2020年 08月 20日 (木)

ピリピ人ヘの手紙2:12-18(12)
救いを達成するよう努めなさい

 パウロは、キリストの謙遜によって思いを一つにして、イエス・キリストの共同体を築きなさいと言いました。それから、「恐れおののいて自分の救いを達成するよう努めなさい」と教えます。「自分の救いの達成(work out your salvation)」とは、主が与えてくださった救いを用いて働かせ、クリスチャン生活に真の努力を払う、という意味です。イエスさまが救いのみわざを完了されたので、もう私は自由にやりたいことをすれば良い、ではないのです。救われた私たちに対する神さまの素晴らしい目的は、私たちがキリストのかたちに成長することです。これは生涯にわたる成長であり、私たちだけではできないことですが、達成するための志と力を、神様が与えてくださいます。主が御霊と御言葉を通して私たちの心のうちに働いてくださいます。私たちの役割はそれに応答することです。私たちの救いのための代償は、どれほど大きく、私たちを待ち受ける栄光は、どれほど素晴らしいものでしょうか。この主の恵みと憐れみこそが、私たちが主の言葉に従い、キリストのかたちに成長するために努める動機となります。
 パウロは、すべてのことに不平を言わず、疑わずに行わねばならないとも教えます。私たちに対する神さまのビジョンは、この暗い邪悪な世代のただ中で世の光として輝くことです。そのためには、私たちは非難されるところのない、純粋な者となるべきです。私たちが不平を言って、互いに議論することを許すならば、それは不可能です。輝くことと不平を言うこととは、正反対です!聖霊は私たちが互いに争うとき悲しみます。では、パウロはどうだったのでしょうか。パウロはピリピ教会のために、自分が信仰の礼拝といういけにえに添えられる、注ぎのささげ物となることを望んでいます。彼らの救いと成長のためなら、喜んで自分の命を献げたいと願いました。


適用:救いを達成するために努めていますか

一言:御霊と御言葉によって



2020年 08月 21日 (金)

ピリピ人ヘの手紙2:19-30(25)
私の兄弟、同労者、戦友

 パウロはテモテとエパフロディトを早くピリピ教会に送りたいと望んでいました。ルステラ出身の青年テモテは、パウロの2回目の伝道旅行を共にした者でした。彼はその伝道旅行中、パウロのイエス様に対する愛と兄弟姉妹たちに対する牧者の心を学びました。多くの人が利己的な心で自分の事ばかりを優先するのに対して、テモテはイエス・キリストを求め、主のみわざを一番に考えました。彼はパウロの霊的な息子でした。彼は犠牲を払ってパウロに仕える神さまの立派なしもべでした。そんな最も信頼できる同労者をパウロはピリピ教会に送ろうとしました。
 エパフロディトは、パウロをサポ-トするために、ピリピ教会から遣わされていた人物でした。彼は獄中のパウロに手紙と贈り物を持ってきてくれましたが、ロ-マで深刻な病気にかかってしまいました。しかし、神様は彼をあわれんで死の淵から救い出してくださいました。彼は自分のことを心配しているピリピ教会の人々のことを気にしていました。そこで、パウロは大急ぎで彼を送り返して、ピリピの聖徒たちを安心させ、喜びを与えようとしました。パウロはピリピの聖徒たちに、エパフロディトを大きな喜びをもって迎えるように言います。また、エパフロディトのような人たちを尊敬するように頼んでいます。パウロは、エパフロディトを自分の兄弟、同労者、戦友だと考えました。なぜなら、彼はキリストのために奉仕をして死の危機に直面しましたが、自分を顧みずに使命を果たしたからです。


適用:あなたは、誰かの兄弟、同労者、戦友となっていますか

一言:死に至るまで忠実


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