詩人は、世の中には二種類の道があると言っています。一つは、悪しき者の道であり、もう一つは正しい者の道です。悪しき者たちは神様を認めないで、自分の力で全てがうまくいくと思っている人たちです。世の中には、そういう人々の集いが沢山あります。反面、正しい者たちは主の教えを喜びとし、昼も夜もその教えを口ずさみます。昼も夜も口ずさむというのは、すべての状況の中で、特に難しい状況の中でも、平穏な道は、主の教えの中にあると信じて、主の教えから道を探すことを意味します。詩人は、そのような人間の人生を、流れのほとりに植えられた木にたとえています。荒涼とした砂漠や荒野でも、根が土の中の水の流れに張っているのなら、その木は何も心配することがありません。雨一粒降らなくても、時が来ると実を結び、その葉は枯れず、その成すことは、すべて栄えます。ダビデの人生が、その代表例です。ダビデは、サウルに追いかけられ、大小の戦争を経験し、困難に直面する時がたくさんありました。その時毎に、彼は主の御言葉を口ずさみました。その時、絶望が希望に、悲しみが賛美に変わる経験をしました。ダビデは、昼も夜も主の教えを口ずさみながら、主の御声に導かれる幸せな人生を生きました(詩19:7-14)。私たちが生きている世の中には、いつも困難があります。そういう時、世の人々の生き方に目がいったり、耳を傾けたりしやすいです。しかし、正しいものは、困難の時、更に深く主の御言葉を黙想します。そして、そこから主が認めてくださる道を探します。これを通して、主の御言葉にもっと深く根を下ろすようになります。

この一年間、大小の困難の中でも神様の御言葉から力を得、喜び、感謝し、賛美することが出来たなら、あなたは正しい者の道を歩んでこられました。あなたは、神様が認めてくださる人です。あなたは幸いな者です。

適用：神様が認めてくださる道はどこにありますか

一言：主である神様の御言葉の中に

　詩篇57篇は、ダビデがサウルから逃れて洞窟に隠れていた時に作った詩です。ダビデの状況はどうでしたか。彼は、滅びの災いに覆われ、自分を貪り食おうとする獅子と、自分を踏みつける人々の間に横たわっていると告白しています。彼は、横になっている時でさえ、不安と恐れにさいなまれていました。何も悪いことをしていないのに、このような迫害を受けていることに、気が滅入りそうでした。ダビデは、このような状況の中でどうしましたか。彼は、いと高き神様に恵みを施してくださるように、叫び求めました。神様は、彼の叫びを聞いてくださいました。敵がダビデを陥れるために掘った穴に、敵自らがその穴に落ちるようにされました(6)。これを通して、ダビデは滅びが自分を覆っていると思っていましたが、実は神様の恵みとまことが自分の人生と全地に及んでいることを知りました。この時、すべてが変わりました。すべての恐れが消え去りました。不安に揺れ動いていた心が、確固たるものに変わりました。絶望と嘆きが歌にかわり、ほめ歌い始めました。悲しみと無気力さの中で、夜明けになっても目を開けたくなかったところから、暁を呼び覚まして祈り、神様の御心を成し遂げようとする積極的な姿勢に変わるようになりました。神様の恵みとまことが、いかに大きいかを悟る時、すべては変わります。この一年、災いのように見えることがたくさんあったと思います。コロナが全地を覆いました。感染に対する恐れのみならず、大きな生活習慣の変化に対して戸惑い、心がついていけず、気が滅入りそうになった方も多いのではないでしょうか。しかし、神様は主の大きな恵みとまことによって、私たちを覆われ、御翼の陰に身を避けるようにされ、保護してくださいました。折にかなって私たちを恐れから救い出し、賛美が流れ出るようにしてくださいました。私たちを通して、命の救いの御業を成してくださいました。この神様に賛美と栄光をお捧げ致します。

適用：この一年、災いだけだったと思いますか

一言：神様の恵みとまことが満ち溢れた2020年